from the washington post


 ロシアの仏教信者居住区に生まれたAlexander Tikhomirov氏は、先日ロシアで発生した自爆テロ事件で犯人の女2人をリクルートし、訓練を受けさせたとされている人物だ。巧みなロシア語を操り、IT技術に詳しいTikhomirov氏はもっとも効果的な宣伝者となり、先月銃弾に倒れるも、依然として影響力は強い。


 彼は若くしてイスラム教に改宗し、十代後半にモスクワへ移り、イスラム教系の大学に通うようになる。その後カイロに渡りアラビア語を学び、イスラム教学者の講義を受ける。


 知人によるとTikhomirov氏はSalafismとして知られる活動に共感していたという。Salafismとは数世紀の間で腐敗しきったイスラム教が、もっとも初期の段階のイスラム教で行われてきた厳しい慣習を実践すべきだとするもの。(過激派によるスンニ派の信条)


 ところがイスラム教関係の出版社のEzhaey氏によると、彼はイスラム教が官僚的であることに不満を口にするなど批判的な一面もあったという。モスクワでは6カ所のモスクで、300万人の信者が集まり、ヨーロッパで最大のムスリム人口を誇る。


  propagandist 宣伝者


  czor    権力者


  proselytizer 改宗した人のこと、改宗者


  officialdom 官僚、お役所式



…おそらくこのSalafismは、タリバンとかというよりスンニ派の過激派のことを指すものと思われる。古い格式や伝統に回帰すべきだという主張は明治の日本にもあった。廃仏毀釈運動もそうだったし、遡ればキリシタン弾圧もそれに近いニュアンスだったのではないか。とくに国家統一国威発揚の際。(具体的には戦争)いずれにせよ今残っているのは、ごく一部しかいない。

 夫や兄弟を紛争などで亡くした妻は「黒い未亡人」と呼ばれ、ロシアでも何人かが爆弾テロ犯となった。恨みを煽って、人間まで武装兵器に仕立てあげてしまおうとする横暴な行為を許してよいものか。