昨日はちょうどオカリナ奏者、宗次郎のコンサートへ行った。
そもそもオカリナというのはどんな楽器なのか?この楽器が生まれたのは1853年、北イタリアにあるブードリオという小さな町のジョゼッペ·ドナーティ氏によって考案された。オカリナという言葉はイタリア語で「ガチョウの子」という意味。バロック調音楽とともに演奏されていたこともある。
 オカリナのタイプは小さい順にピッコロC管、ソプラノG管、ソプラノF管、アルトC管、アルトG管、アルトF管、バスC管とに分けられる。形状が小さいものほど高音域が出て、大きいものほど低音域が出やすいのが特徴。ちなみに、もともとは10本指タイプだったが、小穴の数を増やして低音域の響くように改良されたのは日本人、明田川孝氏の功績による。オカリナが日本に幅広く認知されるきっかけを作った。
 しかし時代を遡れば、縄文、弥生期にも同様の特徴を持つ楽器が発明されていた。土笛には縄文期のもの、弥生期のものの2タイプあって、前者は装飾が美しく、後者は穴の数が増えて演奏向きになった。ネイティブアメリカンが好んで用いたとされるプエブロの土笛や亀之土笛などもある。現在でも日本の東北地方の遺跡などからも多数出土されているようだ。
 製法としては陶器用のねんどで素焼きを用いてカマドで焼くというのが一般的である。ただ、高温焼成で焼くと、音色が硬くなったり吸水性が奪われるために結露やヒビ割れが生ずる。低温焼成にしても壊れやすくややピッチが狂いやすくなるなどのデメリットがある。
 コンサートの感想は、幻想につつまれた一瞬を過ごさせてもらった感じで、癒やしになった。土、風、火、水が一体になった、古代の情景が迫ってくるようだった。