こないだ部屋を片付けしているとクローゼットの中から幼稚園の卒業アルバムが出てきた。僕が通っていた幼稚園は大阪の深井にあるキンダーワールドというところだった。
でも今はもうなくなって葬儀屋になってしまった。(泣)
 キンダーはユニークな幼稚園で、幼いうちから一人一人の自主性や個性、創造性を育てるのが教育方針だった。先生やまわりからああしなさい、こうしなさいなどとうるさく言われることがないのでのびのび充実した日々を過ごせた。と同時に干渉されない分、今あなたは何がしたいのか?という基本的な問いを常に意識させられるので考えて行動するためのいいトレーニングスクールだった。例えばお泊まり保育があったり、サマースクールや英会話、お茶道や絵画もあった。これらを通じてチームプレーの大切さや他人を思いやり、協力することを学んだ。
 今となってはかつての幼稚園がつぶれてしまったことは残念でならないが、そこで学んだことのいくつかは現在の自分にも残っている。貴重な日々の連続だった。この当時の写真を見ると僕は今からは想像できないくらいひ弱で病弱でガリガリだった。背も女の子と並ぶほどしかなかったし、実際女の子に間違われることもしばしば。しかしこうして昔の写真を見ると、ここまで大きくしてもらったのは両親に感謝しなければな、と思った。
 最近の人は親への感謝を忘れて一人で勝手に大きくなったような顔をする連中が多いが、そうではなくて、まわりの支えがないと普通ここまでこれないのだ。少なくとも自分は苦しい時、つらい時の両親の励ましあってここまで大きくしてもらったと思っている。