真面目すぎる人はよく「アイツはジョークもわからんやつだ。」と言われ敬遠される。自分もその一人なので一番よく分かる。知り合いはみんな年上ばっかりで、見た目も老け顔のせいか同世代からはあまり好かれない。考え方も小さい時から大人びていた。
 だいたい近寄りがたい印象を与える人というのは、どこの世界にもいるものだ。競争激化の時代に人のことなど構ってられるか、と野次が飛んできそうだがどういう社会であれ必ず人間関係が先立つわけで、打算的にしか関係を見いだせないことほど悲しいことはない。
 長すぎる前置きはいいとして、俺は二十歳を越えたというのに女性と交際したことがない。色々考えた結果、今の自分にはまだ早すぎるのかもしれない。付き合うにはそれ相応の経験や実績を示さねばならない。まず、きっかけが掴めない。天然だからかもしれないが、話しかけようとすると気づいた頃にはその子はもうその場にいなくなっている。何もぼけーっとしてる訳ではなくて、毎日毎日生きていると自分のやってることで手一杯になり……… 
 ここまで見ると自分もいつの間にか前置き通りの人間になろうとしている。やれ「女連れて来い。」だの「お前の孫が早く見たい。」だの言う親の言葉が痛くてしょうがない。一人っ子には余計につらい。
 もう止めよう。ここまで言ってきたことは労働社会に組み込まれれば、嫌でも経験するようなことだ。悩むことない。眠れない夜には人間、ろくなことを考えないものだ。