風邪はだいたい治った。熱っぽさと喉のいがいがは抜けないが。横になりながら、今年一年間の自分について考えた。何か一個でも決めたことを達成したかったけども、一向に一皮向けない自分に情けなさを感じた。鼻詰まりもひどく、うつらうつら考えるほど、呼吸の感覚が遠のいて、またもとに戻った。そばのラジオが生命維持装置になった。鼻で呼吸ができないことが、どれだけつらいのかが改めてわかった。今年一年間の自分。結論から言えば収穫ゼロだ。だが、一応頑張ったことには変わりない。今年は放送大に入って、2年目になる。単位も順調に取れた。編入の勉強との両立は苦しかった。一時は編入の道も諦めて、一般で再挑戦しようかと思ったが、時間、体力、精神力の面から無意味と判断。編入、ダメだった。今度は確実なところしか狙わない。来年はコンピューター関係の資格を取りたい。できれば教職も取る。
 それから重大ニュースの二番目に来るであろう、祖母の死である。脳梗塞で倒れたのが悪化して帰らぬ人となった。距離的にも離れているせいか、生前最後のお見舞いの時に見せた帰り際の悲しみに濡れた表情が、何とも心に残ってつらい。あのとき年末に帰ることを約束したのだ。ちょうど一発目の編入試験の結果がわかってから、危篤の知らせが入った。残念ながら、うれしい報告はできぬまま、寂しい帰郷となった。
……と、あまりぱっとしない一年だった。自分がどれだけ「こういうことがしたい!」と強く心で思っても、結局何にもできないことってよくあると思う。自己主張云々の問題ではなくて、そもそもそういう年ではなかったということ。何をやっても裏目に出るのはつらかったし、このままだといつまで続くのかわからない。だが、今年はたまたま自分にとって反省の年だったのである。その逆境をはねのけるぐらいのパワーを養う時期だと肯定的に解釈するしかあるまい。