放課後。小学校の友人たちが集まる。近所でもゲーム好きで知られた俺の家には毎日のように小学校の友人たちが集まる。二人や三人ではない。とにかく俺は当時一番ゲームソフトをもっていた。だから友人が集まったのだ。いま思うとかなり嫌味だ。自分でもそう思う。そのなかに『クレヨンしんちゃん』があった。俺はオバケのステージがクリアできなくて、他の友人にプレイさせたら、面白いぐらいに上手く行くので、こちらは迎える側になってしまった。
 クレヨンしんちゃんの作者、臼井儀人氏が亡くなった。登山中の不慮の転落事故が原因らしい。今でも信じられない。作者本人は、崖から写真を撮影していて知らず知らずのうちに亡くなったのだから、英霊としてまだ空間全体をさまよっているのかもしれない。とにかく信じられない。あれだけ国民的人気を誇るアニメだ。存続を求める声がたくさんあっても不思議ではない。あれだけ先鋭的なギャグが天国の住人に伝わるのかは分からない。それだけ衝撃的だった。原作がもう見れないのは、あまりにも残念だ…。