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 トルコ政府は外国の議会がオスマントルコによるアルメニア人の殺害を虐殺として認める場合、何らかの行動に出ると警告した。今月11日にはスウェーデン政府が虐殺であると認める決議を承認したばかりだった。

 一方トルコは大虐殺があったことを否定しており、多くのアルメニア人、ムスリムトルコ人はともに第一次大戦の間ないしオスマン帝国最期の内紛により死亡したものだとしている。他にも100周年を迎える2015年に先立って、フランス、ドイツ、イタリアなどEU加盟国が同様の決議を認めている。

 トルコ在住のアルメニア人の不法滞在者数は1万人弱で、およそ半分は88年にアルメニアを襲った地震で逃れてきた人々だ。2011年7月、トルコでは選挙を控えており、政府は左右の国家主義政党に最後の抵抗をみせている。


  diasposa 移住

  centenary 100周年
 EX) Other countries are expected to pass genocide resolutions before the centenary of the killings in 2015.

  enfeeble 〜が弱る

  rearguard action against 〜に最後の抵抗をする
 EX) Elections are due by July Erdogan is fighting a rearguard action against national parties.


…この時期にわざわざ大虐殺問題を持ち出したことについて、考えられるのは3つ。選挙など内政問題、EU加盟問題、それから経済的問題。図書館で調べると、トルコはインフレ率がべらぼうに高く、繊維など工業が盛んな国。トヨタも進出しているくらい。EU加盟については、欧州各国が虐殺を認めているだけに、何としても加盟入りをさせない欧州の思惑もみえる。そもそもトルコという国自体、区分があいまいで、欧州に含むべきか否かについては、つねに異論もある。