la timesより 

 インドのムンバイには、dhobi ghatと呼ばれる伝統的な洗濯の露店が軒を連ねる地域がある。65年、71年に相次いだ地域紛争で、洗濯用の粉の値段が上昇し、防御用の塹壕を構えたこともあった。

 家庭用洗濯機の到来で、中流家庭の主婦が自ら洗濯するようになってからは、こうしたサービスは流行らなくなったが、それでもdhobiの各世帯は一月に250ドル稼いでいる。

 この洗濯の露店で働く人も全国では600万人と多い。現在ではコミュニティ以外で結婚したり、働くことは容易になっているが、大きな問題は彼らの第3世代がほかの仕事を求め、後継者が育たなくなるということだ。


…問題構造はほぼ日本と一緒ですね。これは一口に言えば、「伝統産業の衰退」ですよ。かつては洗濯をしてくれるサービスがあって、技術が進歩するまではそれなりに繁盛していた。ところが、紛争で洗濯に使う資源の高騰、機械化などで産業としては一時的に衰退した。それでも実際に残っているということは、皆が利用するサービスとして一定の需要があるから、ということになる。そういえば、随分前にこれのロシア版を読んだ。ロシアではお土産としても有名なマトリョーシカ産業が元気がないとのことだった。

 日本ならば、伝統産業の衰退とともに、シャッター商店街も深刻な問題だ。テレビでもやっていたが、どこかの温泉街がヤバくて、温泉だけならまだしも、観光客らが立ち寄る周辺のお店屋さんまでも店じまいする勢いだ。