最近、英語の長文演習用の問題集を変えた。今、旺文社が出している「基礎 英語長文問題精講」やってるが、悪問多いね、これ。使いにくいよ、はっきり言って。これを使うなら、同じシリーズの「英語長文問題精講」の方(基礎がつかない方)が使いやすい。
 まず、文法解説が不適当で、問題の寄せ集めで作った印象を受けた。まあ、総花的っちゃ総花的だけれども、適当過ぎる。作り方があまりに雑。
 それに、中堅かそれ以下大学の「選択問題」ばっかりなので、問題を解いて日常の学習成果を試すことに重点を置く人には、向いていると思うが、要約や記述問題を解くことが不可欠な中堅以上の大学受験者には不向きだろう。こればっかりでは、本当の思考力は養えない。
 英語の問題集ではないが、現代では、問題や仕事は与えられているものだ、と勝手に勘違いしている人間があまり多いから、こんな問題しか解いてこなかった人間は、問題を発見する力がつかないまま一生を終わっていくのだろう。解決できない問題なんて、山ほどある。それを自分で見つけて、自分なりの問題意識を持って取り組む人が、もっと多ければ、日本はもっといい国になるかも知れない。
 記号がアからオまで並んでいて、選ぶぐらいだったら、サルでもできる。 義務教育を通じて、サルになることを強制させられた人間の一人として、今痛切に感じるのは、問題は向こうから勝手にやってくるはずはない、ということ。そして、最終的な答えは、人に頼るのではなくて、自分で出すこと、(もちろん、責任の取れる範囲で)それから、自分で無意味だと感じたものには、初めから手を出さないということの3つである。
 特に2つ目は論文で大事にされますね。論文を書くことは、それなりに知の蓄積に依存しなければならず、全く新しい視点を無の中から作り出すことは、まず無理なこと。だから、文献なり、基礎資料なりに目を通しておくことが重要になる。その後でようやく論文を書く段階に入る、とした方が都合がいい。考えることもなく、いきなり草稿に移すから、紋切り型の人間にしかなれないのだ。