ああ、惜しいことした。こないだ、「その時歴史が動いた」を見れなかった。再放送もとっくに終わってしまっている。その時の放送分は日本が開国に向けて廃仏毀釈を始めた頃が話題となっていて、見たかったのに。しょうがないか。開国のさい、日本文化の仏像や絵画が破壊され、あるいはされそうになってなお生き残ることが出来たことを考えるのは、現代事情を考える上でも、大いに役立つようだ。つい先日も、日本の著名な仏像が海外のオークションに出品されたか何かで、流出しては日本のコケンにかかわるとのことで、大枚叩いて日本のお寺が競り落とす、という一幕があった。これで大丈夫か、日本文化よ。
 もう少し自国の文化に自信が持てないもんかねぇ、日本人も。開国以来、来るもの拒まずで日本はやってきたけれど、文化危機への備えはもう一つだな。(三島っぽい論調だな)
確かに、天皇にしても権力の象徴として考えるのではなくて、日本固有の文化概念の一つとして考えれば、それを守っていくのはわれわれの義務であり、当然のことだ。一度海外に流出してからでは遅いわけである。例えば、かつて日本は南蛮貿易で大量の銀を流出したし、大正時代に入っても浜口内閣の時のようにタイミングを見ずに金輸出を解禁してしまったこともあった。その後、日本は世界恐慌の煽りを喰って、泥沼の恐慌を経験する。
 それにしても、最近幕末の写真にこっていている。銀板写真と言い、1854年、黒船に同行したカメラマンが日本に初上陸して撮影されたものが、外国人に撮影された日本人の写真としては最も古いらしい。夜、番組が見れなかったのは、図書館で借りたこの写真集を見ていたのだ。開国当初を物語るエピソードは尽きないが、最も手っ取り早くしかも興味深く読む資料としては、写真はおもしろい。