明日は墓参りへ。うちではお盆が近くなると毎年そういう慣わしになっている。こないだ、九州のオヤジの実家に行った時は、米と塩となすびの細かく刻んだやつを全身に投げつけられた。要するに魔よけで、これが地方独特の風習になっている。家の裏側の墓に参るさい、必ずお清めとしてこれを行う。葬式から帰ってきたときもそう。うちの方では(恐らく大半は)玄関前に塩を巻きつけるが、田舎では違う。ちゃんと昔のやり方にのっとってやる。 
 何年か前まではよく田舎に帰っていた。だが原油高も手伝ってなかなかそういうわけにもいかない。こないだ冬に連れて行ってもらった時は、鹿狩りに山の中へ。本物のライフルを打たしてもらった。(無免許で?)鹿の肉はあっさりしていて、歯ごたえもよく、柔らかかった。豚の肉もいただいたが、少し堅過ぎた。豚の肉といってもその辺で売っているようなものではなく、ちゃんと山の中で探して捕ったもの(野生)で、食卓に出されるほんの数時間前まではピンピンしていたやつだ。鉄砲打ちはいつの時代もそうして自給自足をしていたのだろう。野生動物を家畜として、食料としていたのは太古にさかのぼるわけで、タイムスリップに似た経験にもなった。現代人は人の手の加わっていない世界のことはほとんど知らずに育ってしまっている。本物のカブトムシを機械仕掛けのオモチャと間違う子どもがいるくらい。やはり人も折りに触れて野生のカンを取り戻す必要がある。