こないだ過去と決別を、と書いた。これはこれまでつらく、一人もがき苦しみ抜いた10代の自分と、本当の意味で決別することを意味する。今、そのすべてを明かすわけにはいかない。人は「そんなの大した苦労じゃないよ」と言う。これは国に当てはめて考えてみるとわかりやすい。確かに豊かさを十分に享受する先進国の人達はそういう意味で幸せかもしれない。途上国の人達は戦争と飢えと戦うも、我々は競争と欲望と戦っているのだ。競争という名の欲望と。そうした先進国と途上国との違いは埋めることもできないし、部分に分けることもできない。当然交換さえ効かない。先進国の人間は、個人レベルで戦う。日本では幼稚園から親がカンカンになって、子どもを進学塾に通わせる。大人だってそうだ。会社に入れば昇進試験なんかもあるし、より良い生活を求めて個人レベルで競争する。これは否定できない事実であって、ここから逃げ出すことはできない。どこまでも。
 とにかく、僕には自分を変える機会が巡ってきたのだから、今度こそ無駄にはしない。だから、変われるようでないものは、変わるように努力することしか、変わることはできない。国も自分も。