ワールドオブライズを二回も観に行った。ラッセル•クロウのシブくて、はっきりした発音。観る者を飽きさせない。ここ最近は本当に映画ばっかり。生きるヒントが欲しいというのも理由の一つ。過去の作品もよく観る。つらい時はジャンルは順不同で、観たい作品を観たい時に観る。洋邦、時代、ジャンル問わず。海の上のピアニスト、ギター弾きの恋、エレファントマン、など。あと例えば、今観たいのは文学作品を映画化したやつ。キリマンジャロの雪、老人と海エデンの東戦争と平和など。それから、ヒッピー時代の濃い作品、イージーライダーとか俺達に明日はないとか。イージーライダーで、ジミヘンの曲がサウンドトラックかなんかで使われたように記憶しているが…。ステッペンウルフだったかな。ちょっと忘れた。たしかに古い映画ならDVDのレンタルを利用するか、安くて売っているのを買うかのいずれかの手段で簡単に手に入る。買うのはちょっと忍びない、という人はレンタルが一番いい。
 このところ、レンタルが流行りらしい。若い奥さん連中も、手軽にエルメスのバッグやらをレンタルできて喜ぶ時代、ここは一つ思い切ったものをレンタルできれば面白いかもしれない。時代がもっと進めば、誰かの生きた体験を直接そのままなぞるようなことも、出来るようになるかもしれない。感情体験から死の体験まで、個々の人生観までもが商品化されたら、どうなるだろう。自分を生きる人間はいなくなってしまうだけでなく、すべて模倣じみた一生で終わってしまう。
 でも、映画は違う。映画は作品一つ一つに必ず個性が出てくる。監督の作品に対する息吹きが伝わってくる、そんな熱い作品はなくなりつつあるが、ワールドオブライズのように世相を捉えたものであれば、がっちり観客の心は掴めると思う。それにキャストが最高に良く、スピーディで、迫力もあって良かった。最後、ディカプリオが殺されそうになる直前に、助けが入るのは時代劇チックだったが。