フラワートラベリンバンドとかアンドレ·カンドレ(陽水のデビュー当時)とか、レアなアルバムをi-podにつめている。実は母親が持っていた大半のレコードを家に移してからというもの、とにかく見たこともないようなレコードがたくさん転がって。アンドレカンドレなんかは、恐らくレアテイク。B面には「神無月にかこまれて」、「窓をあけろ」、「二色の独楽」、「happy birthday」の4テイクが含まれていて、いずれもデモテープから引っ張り出してきたものらしい。「神無月にかこまれて」はその後、作詞にかなりの改良が加えられたらしく、原盤とは大違いだ。ただし、スパニッシュギターを思わせるアレンジは変えていない。レコードにはアフロヘアーの、うら若い陽水がジーンズをはいて、ピアノの鍵盤を叩いている。勿論、そこには新たな発見がある。「窓をあけろ」は後のレコーディングメンバーともなるモップスに提供した曲らしく、鈴木ヒロミツがダミ声を張り上げて歌っている。それから「夕暮れ」という曲も、たしか陽水が提供しているはずだ。親密さのほどが窺える。モップスモップスで、当のヴォーカルことヒロミツが亡くなったことで、二十台最後期のファンとしては惜しまれて止まない。恥ずかしながら、モップスのアルバムはCDだけで、まだ一枚も持ってないのだが、「朝まで待てない」は名曲だろう。本当のところ、作詞はほとんどはメジャーな作詞家から、提供されてたようだから、作曲の方も怪しい、と言いたいところだが、当時のグループサウンズの面々を見渡せば、あながち間違ってないかも。とりわけ星勝のギターは小椋佳の曲のアレンジなど、相当の才能の高さが窺える。小椋佳の曲は、作詞は秀逸ながら、ややインパクトに欠ける、というのが率直な感想だ。それはこれで味なのだが、そこにギンギンのギターが間に入ると、ノーメイクから化粧顔に早変わりする。とにかく、星さんのアレンジ能力には息つくものがある。今も、活躍されているのだろうか。