三島もそうだけども白洲次郎も英語ペラペラだったんだ。始めて知った。彼らは別格だけれど、しかし俺の印象から言わせてもらうと、盛んに海外旅行ばっかり行ってる人に限って、全然英語が話せないのはどういうわけか?おそらく、初めから目的が違うからだろう。彼らは言葉を話せるようになることが目的ではない。そもそも余りある金をもてはやす人間は、楽をしようとするから、何をやっても長続きしないのだよ。何といっても、一番出来るのは国内に頑固に留まって、長年研究生活にいそしむ人だ。外国の情報ぐらい、家に居ながらにして自由に得ることができるし、もし外国に行くのがそういう目的なら、その人は大きな損失をしているとしか言いようがない。まぁ、日本人はいい観光収入のカモだ。
 だって、三島由紀夫にしろ、始めて海外に行ったのは50年代に入ってから。30そこそこだったんじゃないか。外国へ行ってやりたいことは何ですか?見聞を広げることですか?無意味ですね。現地の人とお話しすることですか?日本のほうがたくさん外国人いますよ?あぁ、ほんと駄目だね。日本人は。馬鹿の一つ覚えみたいに、英語ばっかり勉強しても、目的意識もないのにやってはいけない。確かに、日本の語学の研究者らは、文献読めても、話しできない人が多かったみたいだけれども、現在では様変わりしているだろう。普通に、ビジネスでも使うしね。
 俺は、絶対楽をしない。これが本流だ。俺は死ぬまで本流を貫く。本流が最後に勝つと、相場は決まっている。一番の遠因はインターネットだね。やっぱり。情報の引き出し口が大きくなった分、選択ベタな人が増えた。周りを見渡してみても、おんなじようにしか考えない人、結構多いよ。インターネットのおかげで、誰もが起業できると信じ込み、成功できると信じ込んでいる。これは、一番危ない考え方で、地道な努力を否定している。IT社長なんてもう古いね。社長には誰だってなれるけど、どうやってそのリーダーの素質を見抜くのだ?本当のリーダーは絶えず、将来の素地を養い続ける努力をしている。誰も怠け者についていこうとは思わない。だから、楽をしない。本を読み、考え、絶えず見聞を広める努力を隠れてコツコツする。人の見ている前では絶対に見せない。今言ったようなことは、俺が言ったことではない。過去の偉人達が言ったことだ。ラッセル卿も、福沢諭吉も、新渡戸稲造も同じようなことを言っている。