再考。何だか、日本にはクリスマス商戦、正月の福袋商戦、ヴァレンタイン商戦などやたら特別な時期に託けて、売り込む習慣があるが、今回も定額給付商戦とやらができそうだ。ホテルのレストランで食事したり、家族で旅行に行くなど、すでに定額給付金の使い道がいろいろ話し合われている。果たして、1万そこそこのお金(18歳未満と60歳以上は2万でしたっけ)がどれほどの値打ちを持っているのか。個人によってさまざまだろう。まあ、俺みたいな為政者でもない人間があれこれ言っても仕方ないんですがね。ただひとつ言わせてもらうと、給付の時期は全国一律にしてほしかった。
 さて、もう3月ですか。早すぎますね。桜見に行きたいけども、この愚図つき様ではもう少しずれ込むかも。三月から四月にかけてポツポツ降る雨を菜種梅雨というらしい。広辞苑には「3月下旬から4月にかけて、菜の花が盛りの頃に降り続く雨。」とあった。春の雨もなかなか風情があっていい。真夏の暑いときの豪雨に比べれば、マシだ。最近は梅雨を通り越して、豪雨という名に相応しくなった日本の雨。そういえば、小さいころから、雨が好きだった。目をつむって夜中にしんしんと降り続ける雨、夏の午後の夕立。雨上がりの後のコンクリートにしみ込んだような匂い。夜になると、その雨のしみ込んだ匂いが、あけっぱなしの窓から漂ってくる。自分にとっては不快なにおいではない。そのため、夏の夜の匂いを嗅ぐと、必ず思い出す記憶がある。夏祭りの風景だ。亡くなった祖父と連れ立って、近所のお祭りによく行った。匂いと記憶には必ず、個人の体験と結びつく何かがあるに違いない。たしか、記憶の本に書いてあったような。