今から専門学校の段取りを決めておこうと、とりあえず資料請求した。去年受けたところは、全然レベルが違った。受けて損した。時間の無駄。人生の無駄。もう、自分には選択肢などない。これまでは自由にやらせてもらったけど、これ以上は限界だし、大体のレベルも分かっている。三年から入っても、必ず三年で卒業できるかはわからないし、たとえ入ったとしても、また孤立を深めるだけだ。人間力ですか。何ですか?それ。
 たかが日本の大学、4年ぐらいで身に付くんですか?それ。社会人でも身についてない人がたくさんいるのに?!そういう人たちの言う人間力って集団の中を渡っていく世渡りのことじゃないの。どうにもきまりの悪い、強い規制のような魔法の言葉。個性は強すぎても弱すぎても嫌われる。一匹オオカミはつらいね。まぁ、予備校も金儲けだから仕方ないな。俺、もう23になってしまった。これ以上、家にいても親に迷惑かかるだけだし、こうなりたいと思う自分とかなり違う道を歩んでしまっている。否、こうなりたいと思う自分を実現したかったからこそ、ここまでやってきたのだ。それを今更取り消すわけにもいかない。
 編入すれば、幼い、自分より2つも3つも年下の連中がいて、ますます居場所がなくなる。その年下連中は何の苦労もなく、すいすい人生を歩んできたかもしれない。俺は、数倍以上努力してきた。それもこれも、不甲斐ない、やるせない、憤懣やるかたない今の自分を変えたかったからだ。変えたいと思ったときは振り向くことはできない。人生計画に大きな狂いが生じたとしても、それは高望みしたお前のせいだ、と言われれば何も言い返せない。不毛な努力が人生を無駄にするとは今まで考えたことがなかった。
 最近になってようやく行ける学校と行きたい学校の区別がわかった気がする。今までは行きたい学校しか目指してなかった。だったらもう行ける大学しかない。だいたい日本に大学が多すぎるからだ。アメリカの学生はもっと賢明な選択をする。中退なんかざらだ。日本とは比較にならないほどの、バカ高い学費で、学ぶ暇もなく、バイトに明け暮れる大学生が多いというのに、日本の彼らはずいぶん幸せではないか。片や借金漬け、片や麻薬漬けですか。本当に幸せだなあ。自分の将来だけ心配すればいいのだから。自分の将来だけしか考えてこなかった人間が、この国をつくっている。俺たちは一生そうやって威張り散らす人間の靴先で踏まれながら生きていかねばならない。それと、くだらない予備校が増えすぎた。実力相応の学校しか行けないのにどうでもいい高望みを与える。数々の予備校に通わせてもらった実感。予備校、意味なし。