予備校でちょくちょく顔を合わす連中と、何気ない話をした。その彼は俺より年下で、趣味で小説を書く。ちょっと話してすぐわかったことがあった。まぁ、三島やバルザックを読むような人間ではない、ということは申し添えておこう。SF小説らしい。SF。俺が知っているのは、ヴェルヌかロシモフかオーウェルぐらい。それも近代文明をことごとくこき下ろしたやつ。あとは、知らない。今日は帰ってくるときに、電車の中で、ゴールティングを読んだ。はっきり言って最近の小説にはあまり興味がない。村上春樹は話題性もあるし、いいかなとは思う。「国境の南、太陽の西」のハジメは自分のことを言っているのではと思うくらい。とは言っても、一人っ子でジャズが大好きなところだけだけども。読んでいて、これだけ悲壮感を感じたのは彼の小説が初めてだった。
 結構、これでも毎日忙しいのですよ。まるで修行僧のようです。いつ読み終えるのかわからない世界文学全集に、しばしの別れを告げながら、走る毎日です。